ニシヤマ研究所

思いついたことを研究する大学生のブログ

第三話『Remember 275 . 』(ニシヤマ小話:その①)

ブログをご覧の皆様ごきげんよう

 

思いのほか当ブログの反響が大きく、

 

ブロガーとしてのモチベーションがブチあがっております。

 

所長のニシヤマ研究所です。

 


今回は、昨年9月に、私が体験したある小話を、

 

1つご紹介したいと思います。

 

 

タイトルの時点で抱腹絶倒をキメている方もいるでしょうが、

 

どうぞ最後まで、世にも奇妙な滑稽話。

 

 

『ニシヤマ小話』にお付き合いください

 

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我々の棲む、天の川銀河・太陽系第三惑星である地球という星は、


「海」と呼ばれる、地表のおよそ7割を占める巨大な湖に覆われています。

 

そして、その巨大な湖の99.6%は,

 

「水」とよばれる、

 

無味無臭、無色透明の流動体で構成されており、

 

それは生物の生命維持活動に、絶対になくてはならないものです。

 

 

その生物の中の、食物連鎖の頂点、私たち「ヒト」は、

 

歴史を通じて、より便利に水を取得し、

 

利用する装置・設備を考案しました。

 

 

今から約4000年前、

 

バビロニアで生まれたとされる“それ”は、

 

後にこう呼ばれました。

 

 

「水道」と。

 

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2017年9月半ば。

 

大学二年生の夏休みも折り返し。


あと二回しか来ない(であろう)大学生の夏休みを、

 

惰眠でむさぼる日々が過ぎていった頃。

 


僕は今月、二週間の帰省を終え、充足感に満たされていた一方、

 

明日のアルバイトが特別憂鬱で、何かいいことが起きないかと、

 

天井を見上げていたまさにその瞬間。

 

 

突然、見計らったように、家のインターホンが鳴りました。

 

身に覚えがない…。動揺が全身を駆け巡ります。

 

 

(宅配便でも頼んだか?)

(もしかして宗教勧誘か?)

(はたまた日本放送協会か?)

 

 

居留守を使うわけにもいかないので、

 

私は鉛のような重い体を起こし、

 

ありったけの怪訝を、テレビモニターに注ぎました。

 

 

そこに映ったのは、帽子を被った、作業着姿の男。

 

 

カツン、カツン。と

 

持っている細長い鉄の棒を地面に打ち付けています。

 

 

「…どちらさまでしょうか?」

 

「あ、どうも。こちら、ニシヤマさんのお宅で間違いないですかね?」

 

 

「はい。そうですけど。」

 

「私、弘前上下水道の者です。


お宅の水道計メーターが、今月異常な値を示していたのでお伺いしました。

 

 

(水道計のメーターが異常な値?)

 

(一体どういうことだろう・・・。)

 

(水道を使いすぎた・・・?)

 

(いや、そんな訳はない。僕は今月、2週間帰省していた。)

 

(なら、水道管破裂で漏水?そんな馬鹿な、今は夏だ。)

 

(まいったな。今月ピンチなのに・・・。)

 

(1万くらい行くのだろうか・・・。)

 

 

真実を知りたくて、玄関のドアをガチャリと開けます。

 

 

「あ、どうも。えーっと。その、水道の使用量についてなんですけどもぉ。」

 

 

男は、手に持った「水道利用のお知らせ」を読み上げます。

 

 

「先月の水道使用量が、6t。」

 

 

「6t!?」

 

 

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思わず声に出てしまいました。

 

水量6t、すなわちアフリカゾウ1頭分に相当します。

 

 

「そんなに驚く数字でもないですよ。(笑)

 

ウチは、10tまで定額で、2991円なんです。」

 

 

!?

 

なんと。アフリカゾウ約2頭まで定額とは。

 

普段使っている水って、そんなに多いんですね。

 

もっと大切に使わなきゃ。

 

なんて言ってる場合じゃありません。

 

 

 

「え、じゃあ、今月は・・・。」

 

 

「ええと、今月の水道使用量がですねえ・・・。」

 

 

 

 

 

 

275t・・・、ですね。」

 

 

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ドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!!!

 

 

瞬間、脳内に荒々たるサバンナの大地が広がり、

屈強なアフリカゾウが群を成して私の未来を蹂躙していきました。

 

 

「に、275tですかあ・・・?」

 

 

パワーワードに圧倒され、意気消沈。

 

恐らく今後275tという数字に巡り合うことはないでしょう。

 

いやいや、圧倒している場合ではありません。

 

問題は値段でございます。

 

私は、IQ4の頭をフル回転させました。

 

 

(じ、10tまで、定額2991円だろ・・・?)

 

(10tあたり3000円とすると・・・。)

 

(は、80000円!?)

 

(嘘だろ!?そんなの払えっこない!)

 

 

どうか、救われてくれ。

 

 

「あの、それで、料金は・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「14万円です。」

 

 

 

 

 

 

 

グ、グララァガァーーwwwwwwwwwwwwwっっ!!!!!

 

 

 

 


「これからどうやって生きようか」

 

と考えていた人間が

 

「今からどうやって消えようか」

 

 

と考え始める瞬間でございました。

 

私の人生は水によって終止されるのであります。

 

 

「まあ、漏水かもしれないので、一応検査しますね。」

 

 

日を改めて、漏水の検査が入りましたが、

 

お察しの通り、漏水ではありませんでした。

 

 

「おかしいですねぇ・・・。

 

今月家あけてましたか・・・?」

 

「まあ、2週間ほど・・・。」

 

「ふうん。にしてもこの量は・・・。ううん・・・。」

 

 

「わっかんないなあ・・・。」

 

 

「まあ、多分。理由は何であれ、14万は学生には払えないと思うから、減額してくれると思うよ。」

 

 

 

 

 

 

 

結局、原因不明で処理され、

 

水道料金も14万円から1万円に減額されました。

 

 

(いや、それでも1万円は痛いわ・・・。)

 

 

・・・・・・・

 

 

因みに後から計算してみたところ、

 

275tは大学生活4年分の水量だそうです。

 

そして、仮に、帰省していた2週間に

 

その水量が出ていたとしたら、

 

1秒で500mlペットボトルが一杯になるほどの

 

水勢がなければならないそうです。

 

 

・・・・・・

 

 

アフリカゾウ約50頭に蹂躙された未来は、

 

 

とても輝かしいとは言えませんが、

 

 

今でも正しく私を導いていることでしょう。

 

 

皆さん、くれぐれも「水」にはご注意を。

 


Remember 275 .

 

 

 

 

 

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