第二話『罠』(わらしべ長者:その②)
ブログをご覧の皆様、ごきげんよう。
所長のニシヤマ研究所です。
今回はわらしべ長者:その②をお送りします。
前回ひょんなことから手に入れたバッククロージャ―から
物々交換を繰り返してわらしべ長者になろうということで
この企画がスタートしたわけでございます。
さて、バッククロージャ―は一体何と交換されるのでしょうか。
----------わらしべ開始2日目。
なんと2日目にして早速交換が!
お相手は同じサークル員の同期の方Iさん。
サークルのことでちょっとお話をしていたのですが、
いつしかわらしべ長者の話に。
「バッククロージャ―、いらない?」
「いらない。」
即答でした。
しかし、あきらめきれないのが魔界出身のワタクシ。
しつこく、それでいて大胆にバッククロージャ―をプレゼンします。
(この時点でなかなかの絵面です。)
「じゃあ、そのタバコ一本と交換しない?」
ということで、たばこ一本と交換しました。
記念すべき1回目の交換です。
銘柄は・・・。Pianissimo?
ワタクシ煙草は吸わないのでわかりません。
とりあえず、一本頂きました。
といっても、たばこ一本むき出しのまま保管することもできません。
(折れてしまったら価値がなくなってしまいます。)
ので、一度家に帰って、
たばこ一本程度を保管できる小っちゃいハードケースはないか、
と探し回りました。
ありました。
ええ、おっしゃりたいことはわかります。
でもこれしかなかったのです。
こうするしかなかったのです。
どう見ても竹串です。
ありがとうございます。
そんなこんなでひとまず一度目の交換は終了、
と思いきや、
たまたま大学にいた喫煙者の友人を発見。
タバコいらねえかと竹串のケースを出し、交渉。
「えぁ?ええ、まあ、これでいいならやるよ。」
と渡されたものがこちら。
ドーナツ。
老若男女みんな大好きヤングドーナツでございます。
学内のコンビニで駄菓子を買ってきて、
そのうちの一つをたばこと交換してくれました。
※ここで、誤解を招くと思われるので書いておきますが、この物々交換は、喫煙を支持する行為ではありません。たばこは決して体にいいモノではありません。絶対にやめましょう。
バッククロージャ―が一本の煙草に、一本の煙草が駄菓子になりました。
ここで、(卑しいですが)、価値はどれくらい増加したか見てみましょう。
バッククロージャ―は、拾いモノなので0円です
たばこ一本は、相場から大体20円としましょう。
この駄菓子は、40円だそうです。
20円ずつ上昇しています。
これを100回繰り返せば2000円・・・。
0円が2000円・・・。これが錬金術というやつですか。
気をよくした所長は、2日目でなんとか値を3桁にしようと交換相手を血眼になって探し始めます。(ここでやめておけばよかったものを・・・。)
「おれ、こないだ弘前公園の堀にカメラケース落としたから、それでよければ駄菓子と交換するよ。すげえ臭いけど。」
と、高校来の友人Sくん。
なんとそのカメラケース2000円弱はしたそうです。
堀に落ちて仮に臭くなったとしても、
洗ってきちんと消臭すれば1000ほどの値はつくとのこと。
所長、大興奮です。
40円が1000円になるかもしれないのですから。
よだれが止まりません。
しかしそこでちょっと待ったの声が。
先ほどバッククロージャ―をたばこ一本に交換してくれたIさんと、
駄菓子のOくんです。
「急に値段が上がるのは、面白くないし。もうすこし段階を踏むべきだ。」
その言葉を聞いて我に返った所長。たしかに、わらしべ長者は、常に健全な心をもつべきです。いけないいけない。
「せめて、三桁を踏んでから、カメラケースと交換すべき」
と結論が出ました。駄菓子が40円ですので、次は100円相当のものを探そう、
とおもっていたそのとき、TwitterのTLにある書き込みが!!
「ほしい人いませんか?」(大きいふりかけの写真)
!!!
これだ!!これしかない。
このふりかけは、100円相当だ!
しかも、見たところ、ローソンの限定商品!
これは交換するしかない!と、即リプ。
「ほしい!」
「お、所長、例のブツと交換しやすか?」
こんなに面白いことがありましょうか。
こんな一日で、バッククロージャ―が100円相当のものになる。
きっとバッククロージャ―も喜んでいます。
小一時間後
「おまたせ!」
と交換相手Tさん登場。
そしてその手にはふりかけが・・・・。
・・・・・・・ん?
ンンンンンンンwwwwwwwwwwwwヒヒッヒヒヒッヒッwwwwwwwwwwwwwwwwwwヒヒヒヒャヤヤヤヤヤヤヤwwwwwwwwwwwwwwwヤヤwwwwwwwwwwwwwwwヤヤヤヤヤヤヤヤヤア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
全然大きいふりかけちゃうやんけ!!!!!!!!!
こういう感じで売ってるやつやんけ!!!!!!!!!!!
小刻みに震える脳内でその価値を計算したところ
10円。
ンンンンンンンwwwwwwwwwwwwヒヒッヒヒヒッヒッwwwwwwwwwwwwwwwwwwヒヒヒヒャヤヤヤヤヤヤヤwwwwwwwwwwwwwwwヤヤwwwwwwwwwwwwwwwヤヤヤヤヤヤヤヤヤア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
神はやはり私の行いを許してはくれませんでした。
40円が10円になったと分かった瞬間阿鼻叫喚が会議室にこだましました。
その事実に驚愕したのは他の誰でもない、バッククロージャ―だったと思います。
神の、神による、あまりにも陰湿すぎる罠であります。
(まあ私が早とちりをしてしまっただけの話なのですが。)
でも仕方ありません、これもわらしべ長者。
駄菓子を渡してふりかけを手中に収めました。
今日は10円で終了!
と思っていた、そのときでした。
「わらしべ長者、どう?
え!ふりかけになったの!
じゃああたしも交換したい!」
曇天に一筋の光、女神が現れました。その女神の手には光り輝く・・・。
焼スルメが・・・・。
ですが、ふりかけが焼スルメになるのです。
そしておそらくこれは三桁です。(卑しい話)
このチャンスを逃すわけにもいかず。
逆転サヨナラ本塁打。
もう二度と高望みはしない、そして二度と早とちりはしないと心に決め、
丁寧にラッピングされた小さなふりかけを差し出し、清々しく一言、
「ぜひ、お願いします。」
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バッククロージャ― → たばこ(1本)→ 駄菓子(ヤングドーナッツ) → ふりかけ → 焼きスルメ